◆「ガンダム」の要素
アニメ「機動戦士ガンダム」を「機動戦士ガンダム」たらしめている要素は何でしょうか？
普通なら「ガンダム」と答えるところですが…
あえて言おう「ザク」であると！
◆量産型ザクが僕にくれたもの
今日では旧ザクを「ザクⅠ」として「ザクⅡ」と呼ばれる事が多い機体ですが、僕はやはり「ザク」という呼び方がしっくりきます。その中でもいわゆる「量産型ザク」には特別な思い入れがあります。
思えば「ファーストガンダム」において、最初に登場したモビルスーツはガンダムではなく、連邦艦隊を駆逐し、コロニー落としを仕掛けるザクの大部隊でした。
量産されたモブ的なメカはそれまでのロボットアニメにも多数登場してはいたものの、本編のサイド７潜入シーンにおける「一体一体にそれぞれ個性のあるパイロットが搭乗し操作している」という強烈に兵器を連想させる演出はザクがその「はしり」であり、その後の「機動戦士ガンダム」と言う作品の方向性を決定づけたことは、もはやここで語ることもないでしょう。どれだけの人がそんなザクに夢中になったことか！
そして僕もまた「ザク」の持つ強力なキャラクター性に魅了された一人です。
「機動戦士ガンダム」テレビ本放送終了後になって、バンダイから発売された、シャア専用ザク・量産型ザクのプラモは、その後に続く爆発的なガンプラブームを、最初に支えた立役者であることに異論の余地は無いと思います。
ガンプラブーム当時、小学生低学年だった僕にとって当時のザクは組むだけでもひと苦労でしたが（ニッパーなんて洒落た物は持ってませんでしたし、付属の接着剤だけで組もうなんてした日には大変なことに）、当時の児童向け漫画誌のグラビアや、プラモのハウツー本の作例を読みながら「いつかこんな風に作りたい！」と強烈に感じたものです。シブく汚しを入れた量産型ザクは、モブのヤラレメカなどではなく、間違いなく僕の憧れでした。
◆ザクの持つ「キャラクター性」
ザクは当時から現在に至るまでものすごい数のキットが出ています。キットが変われば金型も変わるわけで、当然新規の金型のザクはその部品形状が旧来の製品とは全く違います。
組み上がったシルエットも、並べてみると全く別物と言えるでしょう…しかし、それでも、何度見てもどのザクも「ザク」としか言いようがありません。
ザクをザクたらしめている「キャラクター性」を、多くの人が共通認識として持っている、多少の違いなんか気にしないレベルで。これってすごいことなんじゃないかと。もちろん他にも強烈なキャラクター性を持ったモビルスーツはたくさんいます。しかしザクのそれは、恐らく「初めてモブのヤラレメカに普遍的なキャラクター性を持たせた」ことで、唯一無二と言えるのではないでしょうか。
◆一年一ザク計画
僕が初めてザクに触れてから、既に40年以上の月日が流れました。その間、ザクが僕の頭の中から消えたことはありません。強い憧れの存在としてザクはいつも胸の中に。
そんな中、僕の心にひとつの野望が芽生えました。
「ガンプラとしての量産型ザク発展の歴史を、自らの手で追体験したい！」と。
いわゆる量産型ザクを1/144で９機分、三個小隊。
一年にひとつずつ、組み上げていくつもりです。
ガンプラビルダーとしてのライフワークとして。
いつかずらりとザクを並べてニンマリしたいですね。その頃、まだこのビルダーズノートに僕がいたら必ず報告させてもらいます！