6月25日（日）、「ビルダーズノート」クローズドβテスト参加者を対象としたガンプラの写真撮影会が、都内で開催されました。
今回の撮影会ではビルダーの「いっとぅん」さんにご協力いただき、参加者の皆さまが持ち寄ったガンプラを、ジオラマの前で撮影していきました。笑い声と感嘆が飛び交う、非常に明るい雰囲気で行われた撮影会の様子を、紹介されたノウハウと一緒にお届けします！
※このレポートで掲載された製品の写真、あるいはテキストには、コラボやプロモーションの意図は含んでいません。
【講師紹介】
いっとぅんさん
ガンプラを使った「オモ写」を中心に、ビルダーズノートで発信中。
オモ写＝オモチャの写真の略称。フィギュアやプラモデルを実在の風景と組み合わせて、映画のようなビジュアルを生み出す作品などを指します。
いっとぅんさん「要望があればカメラの使い方なども教えますが、今日は自由にやっていきましょう。仲良くさせていただきたいので、コミュニケーションを取りながら進めていきたいです」
【撮影タイム！】
会場には事前にジオラマのセットが用意されていましたが、自己紹介を済ませてからすぐに、「まずは自分の感性を信じて、自由に撮ってみてください！」という掛け声で、撮影会が始まりました。
【ジオラマの背景を自由自在に】
ガンダムと言えば宇宙での戦いが華ですが、宇宙空間を背景にするのは難しい。そんな悩みに対して、いっとぅんさんから一つの方法が示されました。やり方は簡単で、大きめのモニターに宇宙の画像を映し、それを背景にして撮影するだけです。
この環境で撮影した写真は後ほどご紹介しますが、ただ表示画像を切り替えるだけでテーマが分かりやすくなります。
また、砂漠での戦闘が撮りたければ砂丘の画像を使うなど、応用が利きます。ジオラマ撮影の背景でお悩みの方は、モニターでやってみる価値がありそうです。
【便利アイテム】
撮影をしていく中で、100均で揃う便利なアイテムがいくつか紹介されました。その中から４つ、ピックアップしてご紹介していきます。
爆発の光を表現するために使用していますが、綿もLEDライトも100均で購入できます。
コンテナボックスは灰色の箱で、トラスは黒いタワーのような部品です。こちらも100均で購入できます。
いかにしてコストを下げるかは、やはり誰にとっても課題のようです。ですが上記の品物は100均で揃うので、手軽に試せるのが嬉しいところですね。普段使っていなかったアイテムを試してみて、気に入ればグレードを上げるというのも、一つの手ではないでしょうか。
そして便利グッズ紹介コーナーの最後に、会場で使われた撮影道具の中で、お高めのものも２つご紹介します。
カメラの固定さえしておけば、空いた手で光源を動かしたり、レフ版を持ったりと、写真の画面外でできることが増えそうです。（レフ版＝光を反射させて、被写体の光量を調整する板）
もちろんスマホにも市販の固定具があるので、手をフリーにして撮影に臨むと、選択の幅を広げられると思います。
そしてガンプラの前に吹きかけているのが、ディフュージョンスプレーというアイテムです。聞きなれない方も多いと思いますが、これは霧や煙のような視覚効果を作ってくれるため、臨場感の演出に一役買ってくれます。
基本的には陸送になるので、注文してから届くまでに時間がかかることと、価格が5000円前後と高額になるのが難点ですが、本格的なステップアップを狙いたいときには、選択肢に入るかもしれません。
しかしトイレの消臭スプレーなどでも、似た効果を演出できるため、費用を抑えたい場合やお試しで使う場合は、お近くの100均やドラッグストアなどで、手ごろなスプレー缶を購入するのがよさそうですね。
【スマホで撮影する際のポイント】
スマホは広角寄りの性能をしたカメラが多いので、引きで撮影すると、背景が広く見え過ぎることがあるそうです。
そのため主役であるガンプラを引き立たせるには、「カメラを被写体に近づけて撮る」か、「ズームをかける意識」を持つことが大事だと、いっとぅんさんからアドバイスがありました。
そしてスマホを逆さまにして撮影すると、画角が変わったことで撮れ方が変わるという小技も、合わせて紹介されています。スマホで撮影されている方は一度、「逆さま撮り」を試してみてはいかがでしょうか？
【遠近感を出したいときは、主役の手前に小物を】
人間の目は２つあるので距離感が分かりやすく、スマホのカメラや一眼レフは目が１つなので、工夫しないと遠近感が分かりづらくなるそうです。
この点では、被写体の手前に物を置くのがポイントとのこと。ピントを奥側に合わせると、小物がぼやけることで遠近感が出てきます。
【格好いい写真とは？】
いっとぅんさん「かっこいいポーズとは、アンバランスなものです。例えば片足で前傾姿勢になるとすぐに倒れますが、その一瞬を切り取った写真には躍動感がありますよね」
つまりは、長く維持できない瞬間こそがかっこいいという美学でした。スポーツの名シーンを思い浮かべると、このご意見に共感できる方も多いと思います。
しかし撮影をする際に、倒れる一瞬や、落下する瞬間を撮るのは至難の業。だからこそ支え棒が必要になってきますが、棒がそのまま写っていると景観を損ねてしまいます。そのため余分な部分を消しながら、全体的なブラッシュアップを図るために、写真の加工がお勧めされました。
【写真を加工してみよう！】
いっとぅんさん「加工と聞くと難しそうですが、適当にいじってみて、自分が気に入ったところで止めれば大丈夫です。俺は好きだから、これでいいんだ！　という気持ちが大事ですから（笑）」
狙った色彩に、少しでも近づいたと思えたら成功。加工に挑戦してみるときは、それくらいの気軽さでいいのかもしれません。ここも感性と直感で、自分の好みに合うように微調整してあげるだけでも、ガンプラへの愛着が湧きそうですね。
いっとぅんさんは　・アイビスペイント　・Lens FX　・Lightroom　という、３つの加工ソフトを使い分けているとのことですが、ここで実際の作業工程を紹介しながらの、実演が始まりました。
アイビスペイントを使用して、この画像から支え棒を消していきます。
作業の手順ですが、まずは上記の写真と同じ角度で撮影しておいた、背景の宇宙だけが写っている画像をセット。これが下敷きとなります。その上に、メッサーF01型まで写した画像を重ねて表示して、上の画像だけを対象に消しゴム機能を使用すれば、作業は完了です。
上下の画像は機体以外の絵が全く同じのため、支え棒と一緒に消された範囲には、下敷きの風景が代わりに残るという仕組みでした。あとは保存した画像の明るさを、Lens FXで調整して完成となります。
いっとぅんさんが慣れているのは大きいですが、使い方の説明をしながらでも、完成までにかかった時間は５分ほどです。この短期間で格段に写りが良くなりました。
【撮影時における、光源の位置に注意！】
例えば太陽が右側に写っている画像を背景にする場合は、右側から照らして撮影すると影の違和感が小さくなり、加工もしやすくなります。
この点で、地上を背景にした画像では基本的に太陽が光源となるため、影ができる方向は実体験から分かると思います。しかし宇宙を背景にすると、好きな位置に光源を設定できる分、明かりと影の方向がマッチしているかは、撮影前に確認が必要となります。
実際に加工前の写真も、背景画像の光源（機体の背後）と、撮影時に使うライトの位置が、なるべく重なるようにして撮られていました。
【ビフォーアフター】
一通りの解説が終わると、次は参加者の皆さまが撮影したジオラマ写真を、いっとぅんさんが目の前で加工していきました。加工の前後を比較すると、やはりどの写真も見栄えが向上しています。
静かに佇む姿が格好よかったので、あまり手を加えず、コントラストをはっきりさせたとのこと。目元はアイビスペイントの機能にある、蛍光ペンで光らせています。
こちらの画像にもアイビスペイントで、モノアイが書き込まれています。ジオングの視線がはっきりと定まったことで、今にも攻撃してきそうな迫力が演出されました。被写体の陰影が濃くなった分だけ、主役の存在感も増しています。
そしてこれは撮影会の最初に取り上げた、宇宙の背景をモニター映して撮影したものです。撮影風景を事前に見ていなければ、これがモニター越しの背景だと、すぐに分かる方は少ないかもしれません。
これは明るさの調整に加えて、RX-78-2ガンダムの身体とシャア専用ザクIIの右手に、エフェクトを追加していました。勢いがついたように見えることで、加工前よりもダメージ表現が分かりやすくなっています。
加工前写真の右下にある光は、先ほど便利グッズとしてご紹介した、綿の中にLEDライトを仕込んだものです。
Lens FXのエフェクト一覧に「爆発」が入っていたのですが、LEDライトの真上を指定して、火花の明るさと色味を寄せただけで、加工後の仕上がりになっていました。
【イベントを通して、参加者からの感想】
・同じガンプラでも、撮り方によって全然違って見えるんですね。今日のことを忘れないようにして、撮っていきたいです。
・好きに遊んでいましたけど、非常に楽しかったです。もう２時間やりたいくらいでした（笑）
・身近なものでも、使えそうなものが多かったです。初心者なんですが、見ているだけでも十分に楽しかったです。
・ジオラマを使った撮影って、全部ジオラマを作ってやるイメージだったんですが、配置や背景を変えながら撮る方法もあるんだと、気づけてよかったと思います。
【結びの言葉】
いっとぅんさん「家でできないと途端にハードルが上がるので、手を付けやすいところから、楽に遊んでもらうのが一番いいと思います。楽しくないと続かないので、楽しむことが重要です」
技術的な話題も多かった今回の撮影会ですが、会場には勉強会という雰囲気はなく、２時間以上も笑い声が絶えませんでした。
参加者の皆さまの様子を見ていると、自分のガンプラが、より見栄えのする姿で写真に残ることを喜んでいただけたようですし、趣味仲間同士での交流という面でも、良いイベントになったかと思います。
本日紹介された小物を実際に使ってみた方や、写真の編集に挑戦してみた方は、「#ガンプラ撮影会 in TOKYO」、「#アドバイス実践してみた」のタグを付けて、ぜひビルダーズノートに投稿してみてください！
ビルダーズノートでは、今後もこうしたイベントを企画していますので、今回のレポートで興味を持たれた方も、次の機会に参加してみてはいかがでしょうか？
自慢のガンプラをもっと輝かせる、新しい道が見つかるかもしれませんし、仲間ができるのも楽しいですよ！
・PxHere（宇宙の画像）
・Pixabay（雲の画像）
・アイビスペイント（iOS／Android）
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